ドローイングと書の共演 "Sen 8" 6.9-7.13.2008

 かつてヨーロッパの絵画と、日本の前衛書の世界が互いの芸術に注目し、歩み寄った時代があった。
1992年、東京品川O美術館でジョアン・ミロ、上田桑鳩など当時の東西を代表するアーティスが一堂に介した「書と絵画の熱き時代展」が開催された。それから16年、東西の「線」芸術を巡る交流は、「ドローイング」という独立分野の確立と人気と呼応し、様々な形で試みられた。そして現在、ドイツと日本のアーティストにおいて、互いの「線」に対する美意識を率直にぶつけ合う場を設けて、新たな線芸術の可能性を見いだそうというムーヴメントが起こった。プロジェクトsen 2008は、そのような東西の現代美術における最新の動向に着目し、「線」をテーマに活動しているドイツの作家と日本の前衛書道家の作品をベルリンにおいて紹介するものとなった。
 主なプログラムとして、2008年6月9日にベルリン芸術大学ヴァイセンゼーにおいて前衛書ワークショップを、6月10日〜7月13日までGallery Parterreにおいて前衛書家4名とドイツの作家5名のグループ展が行われた。ワークショップには絵画科ドローイングクラスの学生を中心にデザイン科、彫刻家など多分野から25名が参加した。展覧会は前衛書道家のパフォーマンス(書実演)をもって開会し、美大生から、ベルリン日独文化センター、森鴎外記念館、Akademie der Kunst Berlin(芸術アカデミーベルリン)などの国際文化交流を司る諸機関からのご高覧を頂いた。
 今回のプロジェクトsen2008は「線」というシンプルなテーマを通した国際文化交流プロジェクトとして、年齢、国籍、人種を問わず多くの人々に参列頂き、線を引くという日常生活にありふれた行為、そこに潜む根源的な「美しさ」を共有、再発見できる機会を与えられたのではないだろうか。
 終わりに、当プロジェクト開催にご協力頂いた奎星会、ベルリン芸術大学ヴァイセンゼー、Gallery Parterreの学芸員の皆様を始め、全ての方々に多大な感謝の意を表明し、プログラムを閉会した。



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